保安局 (イギリス)
保安局 Security Service(MI5) | |
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MI5本部が入居するテムズハウス | |
組織の概要 | |
設立年月日 | 1909年 シークレット・サービス・ビューローとして |
管轄 | 英国政府 |
本部所在地 | イギリス ロンドン シティ・オブ・ウェストミンスター ミルバンク11番 テムズハウス 北緯51度29分38.3秒 西経0度07分32.2秒 / 北緯51.493972度 西経0.125611度座標: 北緯51度29分38.3秒 西経0度07分32.2秒 / 北緯51.493972度 西経0.125611度 |
標語 | Regnum Defende (Defence of the Realm) |
人員 | 3,961人[1] |
年間予算 | Single Intelligence Account |
監督大臣 | |
行政官 |
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上位組織 | 内務省 |
ウェブサイト | www.mi5.gov.uk |
保安局[2](ほあんきょく、Security Service、SS)は、イギリスの国内治安維持を担当する情報機関である。MI5(Military Intelligence Section 5、軍情報部第5課)として知られている。本部はロンドン シティ・オブ・ウェストミンスター ミルバンク11番 テムズハウス。
内務大臣の管轄下にあるが、内務省との組織上のつながりはなく、スパイやテロリストの逮捕は、ロンドン警視庁テロ対策指令部が担当している。日本における同種機関としては、公安調査庁が挙げられる。
なおMI5に対して、MI6の通称で知られているのは秘密情報部(英: Secret Intelligence Service、SIS)であり、国外の政治、経済及びその他秘密情報の収集、情報工作を任務としている[3]。
組織
[編集]- 人事、教育、法務、財務部門
- 国際テロ対策部門
- 国家安全保障部門
- IRA対策、国内テロ対策部門
- 情報及び技術部門
歴史
[編集]1909年に戦争(陸軍)省(War Office)の外局として秘密業務局(Secret Service Bureau)が設立された。これは現在の保安局と秘密情報部(MI6)両方の機能をもつものであったが国内課(Home Section)と外国課(Foreign Section)に分けられており、保安局はこのうちの前者にあたる。
1914年に第一次世界大戦が始まると戦争省本体に吸収、作戦部傘下におかれたが、1916年には新規に誕生した軍事情報総局へと移管された。この際第5課という課名が与えられたことがMI5(= Military Intelligence 5)という略称に繋がっている。
その後、1929年に国防保安局(Defence Security Service)、1931年に保安局(Security Service)とそれぞれ改称されているが、MI5の略称は公式サイトのURLにもなるなど、根強く残っている。
2009年10月5日、創設100年に合わせて、公認歴史書が出版された[4]。
対テロ活動
[編集]IRA対策
[編集]小説や映画とは異なり、歴史的にMI5は、アイルランドでは活動しておらず、IRA対策は、スコットランドヤードと現地警察の対テロ部署が行っていた。
しかしながら、冷戦終結と共に、テロ対策がMI5の重要な任務となった。1992年10月、F Branch(破壊活動対策)とK Branch(対スパイ)からT Branch(IRA対策)が創設され、IRA対策はMI5が主管することとなった。
国際テロ対策
[編集]2003年6月、国際テロの脅威の分析と評価のために、統合テロリズム分析センター (Joint Terrorism Analysis Centre; JTAC) が創設された。センターの定員は、100人であり[疑問点 ]、その内30人がMI5職員である。
JTAC所長は、MI5長官に従属するが、11省庁の職員が働く独立機構として活動している。JTACは、MI5のT Branchと密接に協力している。
JTACは、アメリカの国家テロ対策センター (National Counterterrorism Center; NCTC)、オーストラリアの国家脅威評価センター (National Threat Assessment Centre; NTAC)、カナダの統合脅威評価センター (Integrated Threat Assessment Centre; ITAC)、ニュージーランドの統合脅威評価グループ (Combined Threat Assessment Group; CTAG) と共に、対テロ・ネットワークを構成している。
歴代長官
[編集]代 | 名前 | 就任 | 退任 |
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1 | バーノン・ケル陸軍少将 | 1909年 | 1940年 |
2 | オズワルド・アレン・ハーカー陸軍准将 | 1940年 | 1941年 |
3 | デビッド・ペトリー | 1941年 | 1946年 |
4 | パーシー・シリトー | 1946年 | 1953年 |
5 | ディック・ゴールドスミス・ホワイト | 1953年 | 1956年 |
6 | ロジャー・ホリス | 1956年 | 1965年 |
7 | マーティン・ファーニヴァル・ジョーンズ | 1965年 | 1972年 |
8 | マイケル・ヘンリー | 1972年 | 1979年 |
9 | ハワード・スミス | 1979年 | 1981年 |
10 | ジョン・ジョーンズ | 1981年 | 1985年 |
11 | アントニー・ダフ | 1985年 | 1988年 |
12 | パトリック・ウォーカー | 1988年 | 1992年 |
13 | ステラ・リミントン | 1992年 | 1996年 |
14 | スティーブン・レンダー | 1996年 | 2002年12月 |
15 | イライザ・マニンガム=ブラー | 2002年12月 | 2007年4月 |
16 | ジョナサン・エヴァンス | 2007年4月 | 2013年3月 |
17 | アンドリュー・パーカー [5] | 2013年4月 | 2020年3月 |
18 | ケン・マッカラム | 2020年4月 | 現職 |
フィクションへの登場
[編集]テレビドラマ
[編集]- 『MI-5 英国機密諜報部』
- 『刑事フォイル』
- 『窓際のスパイ』
ゲーム
[編集]映画
[編集]脚注
[編集]- ^ Who We Are MI5ウェブサイト 2010年6月10日閲覧
- ^ (参考)外国の主な情報・団体規制機関の所属組織等 - 首相官邸
- ^ イギリス情報局保安部ブリタニカ国際大百科事典、コトバンク、2017年10月15日閲覧。
- ^ AFPBB News「英MI5創設から100年、スパイ史明かす公認歴史書を出版」2009年10月8日
- ^ MI5 boss warns of technology terror riskBBC 2015年9月17日
参考文献
[編集]- ドゥシュコ・ポポフ 著、関口英男 訳、『ナチスの懐深く 二重スパイの回想』、新潮社、1978年
- Peter Wright 著、『スパイキャッチャー』、朝日新聞社、1987年
- ジョン・C・マスターマン 著、武富紀雄 訳、『二重スパイ化作戦 ヒトラーをだました男たち』、河出書房新社、1987年、ISBN 4-309-22135-1
- Christopher Andrew "The Defence of the Realm: The Authorized History of MI5" Allen Lane, 2009/10/5, ISBN 978-0713998856
- MI5公式サイト "What's In a Name"https://www.mi5.gov.uk/whats-in-a-name2019年12月1日閲覧
関連項目
[編集]- 秘密情報部(現略称SIS、旧称 MI6・軍情報部第6課)
- ウィリアム・メルヴィル